全仏オープン男子単決勝
　生涯グランドスラム＆年間グランドスラムのかかる
『王者』フェデラーVSクレーコートの『要塞』ナダル

　直前のハンブルグ決勝ではナダルの約3年間続いたクレー
コートの連勝記録を81で止め、早めの攻撃で、ナダル攻略
法を身につけたかに見えたフェデラーだったが、試合が始
まってみると、ファーストサーブの入りが悪く、ナダルよ
り多くあったブレイクポイントをことごとく奪えず、ナダ
ルの強烈なスピンボールに凡ミス（アンフォーストエラ
ー）を量産したフェデラーが6-3,4-6,6-3,6-4で破れ、
ナダルが全仏３連覇を成し遂げた。なんと３年前に全仏に
初出場して以来負け無しの２１連勝だそうな。
　ナダルの強さは、その強靭なフィジカルでベースライン
から相手のコーナへの強打を更に厳しいコースに打ち込む
パスにもあるが、解説のダバディさんが言っていたが、
セカンドサーブの回転が、高速サーブを誇るロディックが
３０００回転であるのに対し、ナダルは５０００回転ある
らしく、球速以上にボールが重いとのこと、確かにたまに
ナダルの打球がスローで映ることがあるが、球が縦や斜め
に歪んだ卵のような形で飛んでいたりするので、それによ
るバウンドの変化がフェデラーが攻めきれなかった理由な
のだろう。
　これで、年間グランドスラムと生涯グランドスラムを逃
したフェデラーであるが、私としては楽しみが来年に延び
たに過ぎない。これからはフェデラーの得意な芝とハード
コートシーズンなので、思う存分その王道を突き進んで行
くことだろう。
　今後楽しみは、成長著しいジョコビッチの活躍と、「良
い人」ダビデンコ、「復活の」ヒューイット＆サフィン、
辺りかな。

全仏オープン女子単決勝
新進気鋭のイバノビッチVS女王エナン

　序盤で緊張無く攻め切れればイバノビッチにも勝ち目が
あるかと思ったが、昨年のグランドスラム全てで決勝進
出、全仏は3連覇がかかっていたエナンが強靭なメンタルで
貫禄勝ちした。
　1月の全豪は家庭の事情(離婚)で欠場していたし、以前に
もウイルス疾患で長期に渡りテニスに打ち込めなかったと
いうのに、それらの試練を乗り越えれば乗り越えるほどに
エナンは強くなっている。167cm,57kgという日本人の体型
と変わらない、決して恵まれていない体格なのに、長いラ
リーが続いても息切れすることなく、相手のミス待ちで無
く最後はウイナーで決める。見習う事の多い選手である。